ワールド工芸C55流線形にマイクロエースC55流線形の下回りを組み込む

2010.05.09


[はじめに]
 マイクロエースからC55流線形が再販されたのを機に、昔にキットを組んだワールド工芸のC55流線形にマイクロエースの動力を組み込みました。ワールド工芸のC55はテンダードライブ方式で、少し動力の調子が悪かったので、走りには定評のあるマイクロエースの動力を組み込んで一般的なエンジンドライブ方式にすることにしました。以下、その簡単な報告をいたします。
*今回の工作は「Nゲージ蒸気機関車・ワールド工芸のC55流線型を直接駆動式にする」のサイトを参考にさせていただきました。ここに御礼申し上げます。

[下回りの加工]
 今回発売されたマイクロエースの動力ユニットはウエイト兼用のダイカスト一体型になっています。動力ユニットは特に加工は不要ですが、ヘッドライトは点灯させないのでライトユニットは外しました。
 加工は基本的にワールド工芸の上回りにハマり込むようにシリンダー幅、バルブスピンドルガイド、モーションプレートを削るだけです。
 なお、従台車はワールド工芸のものに使っていたKATO C57(一般形ASSY)用の転用です(マイクロエースの従台車は上回りのスカートに当たらないように削る途中、手が滑って壊してしまいました(涙))。ただ、形態的にはC57のほうが近いみたいです。

[上回りの加工]
 上回りは、マイクロエースの下回り・動力ユニットが入るように取り付け板を除去し、キャブの後板とボイラーとキャブの継ぎ目部分を、モーターが当たらないようにひたすらリューターで削りました。最初に組立てた時にミクロウエイトを入れていたので、それの除去にも手がかかりました。

 動力ユニットとボイラー板との間は結構隙間があったので、上回りと下回りを取り付ける土台を作りました。1.2mmプラ板を2枚重ね、0.5mmプラ板と丸ヤスリなどで動力ユニットが収まるように丸みを付けました。上回りと下回りの取り付けは両面テープで行います。


[テンダーの加工]
 マイクロエースのテンダーを分解し、床板と前面をワールド工芸のテンダーに入るように幅を詰め、ウエイトも入らないところを切除しました(写真の×印のパーツは不使用)。そして幅を詰めたパーツをワールド工芸のテンダーにハメ込んで高さを調整しました(そのままで高さはほぼ合いました)。
 上回りとは後ろ側の2カ所(ワールド工芸のには、もとから取り付け用のネジ穴が開いていました)と前方の1カ所(新たに穴開け)で固定しました。



 また、テンダー前方には炭庫前面覆い?を、後方には屋根開閉シリンダーなどの部品をマイクロエースのテンダーから流用/移植し、ディテールアップしました。(ディテールアップといいながら、前面の取り付けネジが目立ち過ぎてます...)

[その他]
 組立ててみたところ、本体とテンダーの間が空き過ぎている(右の写真)のでドローバーを短縮することにしました。線路手前の部品はテンダー前面に取り付ける炭出し口で、ドローバーの短縮度合いで長さを調整してから取り付けます。
 ドローバーは2mm短縮しました。繋ぎ目部分(矢印)には0.3mm洋銀線をコの字形に渡して補強しました(両側と裏面の3カ所)。
 試走させたところ、280Rカーブは普通に通過、243Rは先輪がスカートに接触して浮き上がりました。そこで先輪をワールド工芸のものに換えたところ、 243Rも何とか通過できるようになりました(マイクロエースの先輪はとても分厚いのです)。
 塗装は、剥がすのが面倒くさかったのでプライマーと黒(GMスプレーNo.10)を薄く吹き付けた塗り重ねで済ませてしまいました。銀帯は水性ホビーカラーで入れましたが、どうもうまくいってないようです(泣)。


[完成、考察など]

 これでワールド工芸の「プロポーション」とマイクロエースの「走り」の両方を兼ね備えたC55流線形が出来上がりました。C55流線形の主牽引列車である"臨時燕"が走る機会も少し増えることでしょう。
 なお、加工の過程をブログの2010年4月〜5月にも掲載しているので、そちらもご参照下さい。


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