やえもんデザイン製D51キット(鷹取タイプ)を組む

2011.06.26
[はじめに]
 やえもんデザインから発売されていたD51のコンバージョンキット(鷹取タイプ)の組立て記です。このキットはマイクロエース製D51を種車にして、上回りを真鍮製のボディに載せ替えるものです。最初は、他形式へではなく同じD51へのコンバートというのはどんなものなのかと思いましたが、出来上がってみるとなかなかカッコ良いものでした。以下、その簡単な報告を写真を中心にお送りいたします。

 種車はマイクロエースのD51 498(動力ユニット改良後)です。これはマイクロエースのD51がなかなか市場になく、やっと見つけたD51 498を使ったためです。そのためテンダーの加工の工程が加わりました。

*今回のキット組立てには吉村様のページ・工作室を参考にさせていただきました。ここに御礼申し上げます。


[キャブ、ランボード、ボイラーの組立て]
キャブとランボードを組み、ボイラーと合わせていきます。


[ボイラー・上回りの組立て]
 ボイラーにロストワックス部品をハンダ付けしていきます。今回はハンダ付けに無鉛ハンダを使っているのですが、無鉛ハンダは融点が少々高いようで、そのためかロストの部品をハンダ付けするのがちょっとやり難くなった感じがしました。

 フロント部の部品取り付け状態です。ロスト部品の細かいハンダ付けは、前に付けた部分が取れそうになったり、指先を火傷しそうになったりと、なかなか大変でした。煙室扉は開けることができます。

 砂撒き管や各種ロッド類を付けていきます。煙室扉はまだハメ込んであるだけです。

 空気作用管、手すり、通風管、発電器周りの配管などが付き、だいぶ出来上がってきました。発電器周りの配管はだいぶ省略したつもりなのですが、いい具合に(ん?)ごちゃごちゃしてきました。なお、配管等は無鉛ハンダから通常のハンダの使用に戻しました。


[下回りとの合わせ]
 下回りと合わせてみました。合わせ難いところは少し削ったりして収めています。キャブ下の配管は、従台車に当たらないように下回りを合わせつつ行ないました。

 キャブ下の配管の拡大です。かなり省略しています。公式側の分配器周辺は、後で従台車を一部切り取って当たりを避けました。


[フロント部とキャブ周辺]
 煙室扉部分はハンダ付けで既に付けたパーツを落とさない自信が無かったので、瞬間接着剤で付けました。デフ前方のステーは0.2mm燐青銅線ですが、 0.2mmのドリルが無かったので0.3mmのドリルで煙室前方とデフ裏側に浅く穴をあけ(予め印が掘ってありました)、少し突っ張るようにステーの長さを調節してから(これが難しかった)煙室部は接着、デフ部分はハンダ付けしました。発電器の排気管を付け、最後にキャブ後端の縦雨樋を付けてボディが完成しました。


[テンダーの加工]
 テンダーは、タンク等を削り取り、炭庫の空いた部分は石炭替わりのバラストを盛りました。接着は薄めた木工用ボンドです。後部はプラ板で埋めて平らに仕上げ、給水栓は削ぎ取って中央に移設しました。なお、炭庫の後部隔壁は通常のD51ではもう少し後ろに寄っているようですが、面倒くさいのでそのままにしました。
 配管は両側に1本ずつ、公式側は0.3mm、非公式側は0.5mmの真鍮線です。前部の手スリはパーツの余りにそれらしいのがあったのを利用しました。後部上面の手スリは0.3mm真鍮線ですが、ちょっと幅が狭すぎました。後ろ正面は特に加工していません。


[動力ユニットの絶縁]
 動力ユニットの絶縁は写真の部分にテープを貼ればOKのようです(この他にボディ火室内側も絶縁)。ただ、ボイラー前部は横から見えてしまうので、色や貼る位置(ランボードぎりぎりまで)を考える必要があります。また、前部デッキ上面(黄矢印)は少しヤスることでボディとは接触しなくなりました(テープでも可でしたが)。


[塗装、色入れなど]
 塗装はエアブラシでGMの黒(No.10)を吹き付け、安全弁(種車より)と汽笛、ナンバープレート、ヘッドライトレンズ、前部ダミーカプラー取り付け、火室下部への色入れ、空気作用管の磨き出し、で一応完成しました。塗装は風が強くてなかなかうまく行かず、ちょっとブツブツが塗装表面に着いてしまいました。
 ナンバーは比較的装備が似ている403号機にしましたが、実機とはだいぶ違うと思います。また、テンダーには増炭囲いを付けてみました。


[考察など]
 完成してみるとアラが色々見つかります。キャブが少し後ろ上がりになっている、非公式側のシリンダとランボードが密着できていない、分岐した空気作用管(配管は簡略化)が砂撒き管の上を通っている(がっくり。写真では磨き出しの仕方で誤摩化してます...)、などなど... なかなか蒸気のキットは一筋縄では行きません。
 ともかく、当鉄道では一番のハイディテール機となりました。上回りだけとはいえ、もはやコンバージョンキットと言うのは変な感じがする程作りでのあるキットでした。

 なお、加工の過程をブログの2010年7月〜8月にも掲載しているので、そちらもご参照下さい。


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