ワールド工芸製D52キットを組む

1998.12.19


[はじめに]

 ワールド工芸社製のD52キットを組みました。このキットは機関車とテンダーのボディキットで、機関車の下回りはKATOのD51を、テンダー台車は同じくKATOのTR-41(実車はちょっと違いますが)を使用するものです。以下、その報告です。

[ボディの組立て]

 このキットの説明書には組立て順序が書いてありません。従って、どのように組立てていくのかは組立てる人の推理にまかされています(^^;;)。これはヘタをするとハンダゴテが入らないなどの事態が生じるため、一応組立て順をシミュレートしてから作業を始めました。また、独立した部品でもランナーからの切取りバリ(?)があったりするので各部品は一通りヤスリ仕上げをしておきました。

  1. テンダー及びキャブ
     まずはテンダーから組みました。接合部の一部がうまく合わせられなくて隙間ができましたが、目立つところはハンダやパテで埋めました。
     説明書にはキャブとボイラーは別々に作って後から組合せる旨が書いてあるので、次にキャブを組みました。これは普通に組めたと思います。

  2. ボイラー等
     さて、難物(?!)の本体部分です。ドームなどホワイトメタル製の部品もあるので、それらを付けるまではハンダ付け、以降は接着剤の作業となりました。まずボイラーとランボード関係を組み、それに周囲の部品を合わせていきました。取付け位置などの細かいところは資料の写真や図面を見ながら組んでいきました。ある程度組み上がったところでキャブと組合せました。逆転棒は何故か湾曲して付いてしまうので色々やってみましたが、完全には水平になりませんでした。

     ホワイトメタル製の部品はエポキシ系接着剤で付けました。ドームはボイラーとうまく合わなかったのですが、スカート部分の厚味を半丸ヤスリで薄くヤスって接着後に、頭が丸くなっている木の棒(私は"箸"を使いました(^^;))の頭で合わせ目を押し付けるようにこすったらうまく馴染みました。また、砂撒き管と加減弁レバーは瞬間接着剤で付けました。

  3. ディテールの追加
     といっても微々たるもので、発電機の排気管、コンプレッサーの配管を一本、デフ前端部のテスリを追加しただけです。
[下回り]

 下回りはKATOのD51のASSYパーツ(動力ユニット、先台車及び従台車)です。動力ユニットは説明書通りシリンダーブロック上と火室両側にスペーサー(プラ板を使用)を接着しました。スペーサーの厚みはシリンダーブロック上が1.5mm(KATOのD51と高さを合わせた)、火室両側が1mmとなりました。

 先輪はASSYパーツではスポークですが、これは手持ちの旧製品のD51の先輪(プレート)と交換し、プレート部分に0.5mmの穴を2箇所ドリルで穿けてそれらしくしました。また、前部重連カプラー(D52だと「補機カプラー」になる?)はC57用を使いました。D51ではC57用だと前方に飛び出し過ぎなのですが、このD52では丁度良いようです。テンダー台車(TR-41)は機関車よりの台車のカプラー腕を切取りました。

[全体合せ及び下回りの追加加工]

 ここで全体を合せてみます。上下の取付けは説明書では塗装後にボンドで軽く付ける、となっていますが、なんか持ち上げたら落ちそうで恐いです。といいつつ妙案はないので、現在はかぶせてあるだけです。

 機関車とテンダーの連結はテンダー台車を介して行いますが、かなり厄介です。まぁ、完成してしまえばそんなに切り離すことも無いのですけれど。また、そのまま連結したら従台車のドローバーが厚くて、テンダーが前上がりになってしまったので、従台車ドローバー厚、テンダー台車上面、テンダー床下のチャンネル材のそれぞれを少しずつ削って高さを調整しました。

 さて、全体を眺めてみたところ、シリンダーブロック前面の先台車上部からボイラー下面にかけての空間が大きく素通しになっているのを発見しました。 これはかなり目立つので塞ぐことにしました。厳密にやるならボイラー下面を作り足してやらなければなりませんが、ここでは簡単に、0.5mmプラ板を空間に合わせた形状に切り抜いたものを動力ユニットに接着して場所塞ぎとしました。また、実物では先輪上部に担いバネが見えるので、0.3mmプラ板等でそれらしくしたものを接着しておきました。

[集電について]

 このD52はテンダーからの集電はせずに機関車本体のみで集電を行うようになっています。タンク機関車の例を考えればこれで十分ですが、RM MODELSの1998年9月号にあるように従台車のドローバーから出ている2本のテンダー集電用線バネがうまい具合にテンダー台車の最前部車輪の内側に接するので、この線バネの長さと位置を調整し、1軸だけですがテンダー台車からの集電をしています。

[塗装及び仕上げなど]

 塗装は下地処理→プライマー吹付け→黒1色吹付けという、ごく一般的な手順です。
 塗装後に安全弁と汽笛(KATOのASSYパーツ)、ナンバープレートを付けて、一応出来上がりです。1軸テンダー集電の効果は良く分かりませんが、走行は快調です。スペーサーの取付けなどで動力ユニットは分解出来ない状態になっていますが、まぁそんなに故障することも無いでしょう。あと、テンダー上には別板にバラストを盛って黒く着色した石炭を乗せました。

[考 察]

 上回りだけとはいえ、通常形態?の蒸機キットを組み立てたのは初めてですが、なんとかうまく組めたと思います。テンダー台車をなんとかできればもっと格好よくなるでしょう。一方、D51等に比べるとかなり車体幅が広いのが気になります。駅などで引っ掛かる場合があるかもしれません。

 D52はやはり重量貨物列車の先頭に立たせるのが順当でしょう。うまく補重をすればかなりの強力機になるものと思われます。後補機としてセノハチ越えや逢阪山越えを再現するのも良いかもしれません(本務機と速度を合わせるのが難しいかな?)。

 D52の従台車を2軸にすればD62になります。アリイのD61やC60の従台車が使えそうですが、そんなに簡単には行くかどうかは良くわかりません。


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