キングスホビーの客車にKATOカプラーN-JP-Bを付ける

2008.07.31


[はじめに]
 当鉄道の一般用の客車は長い間アーノルトカプラーを標準装備してきましたが、最近は各種のナックルタイプのカプラーが普及してきて、ついにはナックルカプラーを標準装備した機関車が発売されるようになってきたため、当鉄道でもとうとう数百両に及ぶ客車のカプラーをナックルタイプに交換するという、遠大な計画に着手しました。さらに、機関車のカプラー交換もしなければならず、これもかなり気の遠くなる話ではあります

 ナックルタイプのカプラーはいくつかの種類がありますが、主にKATOのカプラーN、アメリカ型ナックルカプラー、かもめ用ナックルカプラー、TOMIXの密自連形TN(自連形TNの発売も発表されました)などを適宜使い分けて行く予定です。
 まずは特急用客車として、キングスホビーのキットを組んだ「Wルーフ富士」の客車から交換することにしました。そこでカプラーを買いにいったところ、ジャンパ線付きのKATOカプラーN-JP-Bが目に止まりました。Bタイプのカプラーは通常の客車用台車には使用できませんが、キングスホビーの台車のカプラーポケットなら行けるかもしれないと思い、やってみることにしました。以下、その報告です。

[カプラーポケットの加工]
 キングスホビーの台車(金属車体用TR73、TR71)のカプラーポケットは真鍮板を折り曲げて箱状にしたものです。爪を曲げて台車に取り付けるので、何回も着脱を繰り返すと爪が折れてしまいますので慎重に作業しました(折れても瞬間接着剤で付けることは出来ますが)。外したカプラーポケットは内部の仕切り状の折り返しを戻したり、カプラー支え用の舌状突起を少し切り取るなどし、カプラーの基部が入るようにします。
写真:加工したカプラーポケット。矢印は加工部分
[カプラーの加工]
 カプラーもそのままではカプラーポケットに入らないので、基部の裏側の出っ張りを切除して平らにします。この出っ張りの一部はカプラーの組立て部分なので、このままではカプラーがバラバラになってしまいますが、ポケットに入れれば問題ありません。
写真左:加工前のカプラー。矢印は加工部分
写真右:加工後のカプラー

[組立て]
 カプラーの基部をカプラーポケットに押し込みます。ちょっときつめですが、うまく収まりました。これを台車のカプラー柄に取り付ければ一応OKです。一度取り付けたものを取り外したりしているので、取り付けが緩いものは瞬間接着剤で固定してしまいました。
写真:カプラーポケットにカプラーを収めたところ
[カプラー高さの調整]
 そのままではカプラー高さが基準より若干低いので、カプラー柄を適当に曲げて(元々キングスホビーの台車はこの方法でカプラー高さを調整できます)高さを合わせました。あとは剥がれた塗装をちょいちょいと修正して車体(床板)に取り付ければ出来上がり、です。
写真上:高さ調整前。左の台車は基準にした「つばめ」用TR47
写真下:高さ調整後

[連結状態]
 連結面間隔はアーノルトカプラー同士よりも狭くなり、少し実感的になりました。ジャンパ線も良く効いています(もっとも、客車のジャンパ線は4本では多かったような...)。なお、上記の過程でカプラー基部の後ろ側を削るともう少し連結面間を狭くすることが出来ます。
 なお、機関車及び次位の荷物車(カニ39550)にはかもめ用ナックルカプラーを使用することにしています。
写真上:KATOカプラーN-JP-B同士の連結状態
写真下:アーノルトカプラー同士の連結状態

[考察など]
 普通の2軸ボギー台車にKATOカプラーNを使うと連結面間はもっと狭くなりますが(写真参照)、3軸ボギー台車ではそんなに狭くなりません。オーバーハングが短いことやカプラーポケットと車輪とのクリアランスがせまいためにカプラーポケットを引っ込めることが難しく、大きな加工を伴わないやり方ではこのあたりが限界だと思われます。
写真:2軸ボギー車でのKATOカプラーN同士の連結状態



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